HOME 活動報告 6月定例議会にて代表質問を行いました
活動報告

6月定例議会にて代表質問を行いました

2016.06.20

平成28年6月定例議会 代表質問原稿

 

民進党愛知県議員団を代表いたしまして、県政の諸課題について順次質問をしてまいります。

 

質問項目は以下の8点です。
1、消費税増税延期について

2、本県の防災体制について

3、教育について(公立高校入試制度改革、愛知総合工科高校の公設民営化)

4、国の新たな雇用 対策について

5、高額がん治療薬について

6、子どもの貧困について

7、ヘイトスピーチ規制について

8、障害者差別解消推進条例について

 

1)消費税増税延期にかかる地方税財政制度の見直しに向けた取り組みについて。
6月1日に安倍総理は、来年4月に予定されていた消費税率の10%引き上げを2019年10月まで2年半先延ばしすることを表明しました。
消費税を来年4月に増税しないという点においては各党とも一致しているところでありますが、そもそも消費税増税の目的は社会保障と税の一体改革によって毎年増加する社会保障費の負担と給付のバランスにメスを入れ、真に持続可能な社会保障体制とするために導入されるものであることから、消費税はその全額を社会保障費に充てるとされています。
そのため、増税を前提とし、来年度に実施予定であった社会保障施策の財源が不足することが懸念されています。
また、私が総務省平成26年度決算額より試算した本県税収への影響額、つまり増税延期により得られなくなる額は、約390億円に上り、本県にも少なからぬ影響が出ることが危惧されています。
さらに、消費税率10%段階で実施するとされていた法人事業税や法人住民税の一部国税化の見直しなどがどのように取り扱われるか明らかにされていないことから、今回の延期による県の財政運営への影響は未だ計り知れませんが、今後地方の社会保障財源や地方財源不足額の拡大により、臨時財政対策債が増加することも大いに懸念されるところであります。
また、本県経済や雇用確保に貢献する基幹産業である自動車業界に影響を与える自動車取得税の廃止を含む車体課税の見直しも消費税率10%引き上げ時に実施とされていることから、同様に実施が先送りされるのか今後の見通しは不透明ではありますが、取得税等の先行実施の如何に関わらず、大村知事が昨年11月に10県2政令指定都市の知事・市長の賛同を取り付けて行った「自動車諸税の抜本的な見直しを求める緊急声明」に示されるような車体課税の簡素化とユーザー負担の軽減については、引き続き強力に国に働きかけていただきたいと思います。
また、国に対しても、地方の財政運営に支障が生じないよう必要な措置が図られるよう強く要望するものであります。
それと同時に、これから行われる消費税も含めた税財源の議論の中で重要なのは、単に実施時期や課題を先延ばしすることではなく、国と地方の在り方や社会保障の在り方について、明確な方向性を示すことであり、そのための地方との真剣な議論にこの2年半を有効に活かすことであると考えます。
そして、地方財政や自治体の社会保障施策が国の方針によって大きく左右されることのないよう安定的な財源が確保され、地方の独自性と自立性が高められる制度改正こそ望まれるものであります。
特に税財源の在り方については、この間、地方税財源が充実されるどころか、地方間の税源偏在を是正するとして地方税の国税化が進み、その結果、企業誘致など地域活性化に向けたインセンティブを阻害するという地方の自立に逆行する税制が見受けられます。
そこで、この消費税増税が延期される期間において、国と地方の在り方や国から地方への税源移譲、地方団体間の財源調整などについて、改めて地方の意見を聴取、検討する場を設けるなど地方税財政制度の在り方の見直しに向けて積極的に国に働きかけていくべきと考えますが知事の見解を伺います。

 

2)熊本地震を教訓とする本県の防災体制について
4月14日に発生した熊本地震では、最大震度7の激震が連続して2回発生し、現在に至るまで1752回の余震が発生する中で、いわゆる震災関連死を含む死者69名、重軽傷者1663名、全壊家屋7656棟、半壊家屋22968棟という甚大な被害が生じました。
また、熊本県では住宅以外においても益城町や宇土市など5つの自治体が庁舎損壊等のため庁舎外に機能を移転し、県内の7つの基幹病院のうち、3つが機能停止もしくは縮小を余儀なくされるなど、防災拠点を含む建築物にも大きな被害が生じました。
今回の地震では、余震が長く続くことによって自宅へ戻れず車中で避難する方のエコノミークラス症候群の問題や指定避難所以外に避難された方への支援の在り方、被災後の心のケアの必要性や現行の耐震基準の見直しの可否まで多くの課題への対応が問われることとなりました。
本県においては、被災地支援のため、災害派遣精神医療チーム「DPAT」、災害派遣医療チーム「DMAT」、保健師、被災建築物の応急危険度判定士、避難所運営支援職員など、延べ75隊533人が被災地支援に派遣され、県警からも救出捜索活動のための機動隊等の派遣がなされております。
そして5月9日には派遣された職員より知事に対する帰任報告が行われ、今後その活動内容等について集約が図られていくと伺っております。
現地での活動に心からの敬意を表するとともに、そこで得た経験が本県の防災計画に適切に反映され、防災体制の強化に活かされることを期待しております。
そこで伺います。
被災地に派遣された職員等が現地での活動を通し、本県にも共通する課題として更なる取組が必要と捉えた点にはどのようなものがあり、今後その課題をどう本県施策へと活かしていくのか伺います。
また、今回の地震では物資の支援について、国が被災地の要請を待つことなく迅速かつ大量に物資の輸送を行うプッシュ型支援を東日本大震災以降、初めて実施したものの受け手側の人手不足のために避難者への物資供給が滞るなど大きな課題を残すこととなりました。一方、物資の仕分けと輸送に関しては、民間事業者が本格的に支援体制に関わって以降、急速に状況が改善されたとも報じられています。
そこで伺います。
本県の広域物資輸送拠点における物資の集積と仕分け、輸送はどのような体制となっているのか、また、民間事業者との協力体制について伺います。

 

 

3)あいちの人材育成について
急速に進展するグローバル化や技術革新の中で、本県が更なる飛躍を遂げていくためには、人材の育成こそが、何よりも重要であります。
そこで、あいちの人材育成について2点伺います。
始めに、公立高等学校の入学者選抜の見直しについて伺います。
変化の激しい今日の社会においては、これまでに経験したことのない問題に直面したときにも、高い志と意欲をもってその解決に粘り強く取り組み、自ら未来を切りひらいていく、たくましい若者の力が必要であります。
こうした力を育んでいくためには、子どもたちが将来の夢に向かって自らの進路を主体的に選択し、目的意識をもって意欲的に学ぶことが大切であり、その意味において、高等学校へ入学するための入試の在り方は大変重要であります。
本県の公立高校入試は、推薦入試と、2校受験できる一般入試からなる、いわゆる複合選抜制度として、平成元年度から28年間にわたって実施されてきており、本県独自の制度として県民に定着しております。
しかし、制度導入後、四半世紀以上が経過し、時代の変化や社会のニーズに合わせた改革が必要な時期を迎えており、来春に行われる平成29年度入試から、これまで2つの群に分かれていた三河地域の普通科高校を一つの群にまとめることや、2月の推薦入試を3月の一般入試の日程に取り込んで実施するなどの変更が行われる予定となっております。
そこで、公立高校の新しい入試制度のねらいと、今後どのように生徒や保護者に周知を図っていくのか、教育長に伺います。
次に、愛知総合工科高等学校専攻科の公設民営化について伺います。
本県の製造品出荷額等は、昭和52年以来、38年連続で全国第1位となっており、また、技能五輪全国大会では11年連続で最優秀技能選手団賞を獲得するなど、多くの優秀なものづくり技術者・技能者を有しております。
本県が今後さらなる発展を目指していくためには、全国に誇る、このものづくりの技術・技能を継承する人材を育成していくことが不可欠であります。
こうした中、本県工業教育の中核校として、この4月に愛知総合工科高校が開校いたしました。
学校施設としては、校舎自体を生きた教材とするため、建物はコンクリート打ちっ放しで天井の電気配線や配管の様子も見えるようにしてあり、また、技能五輪にも使用されている六尺旋盤44台を始め、物質中の元素を測定する原子吸光分光光度計やコンピューター制御式工作機械、教材用の電気自動車など、ものづくり愛知の工業教育の中核校にふさわしい教育設備が整備されております。
また、今春の入学者選抜では、一般入試の募集人員338名に対して、第1志望だけで583名、第2志望を合わせると728名もの志願者が集まり、その倍率は2.15倍にのぼり本校に対する期待の高まりを示すものであります。
一方、専攻科については、国家戦略特区制度を活用した公設民営化に向けて、5月に管理運営を行う指定管理法人の募集を開始し、応募を検討している法人を対象とした現地説明会が開催されました。
今後は外部有識者を含めた選定委員会を経て、9月県議会において指定管理法人が決定する予定であると聞いております。
しかしながら、この専攻科の今春の入学者については、募集人員40名に対し、欠員6名の状況であり、より魅力的な学校としていかなくては来年以降も欠員が生じることが懸念されています。
そこで伺います。
入学者の確保のためには今後、民営化の実施によって生まれる専攻科の特色をアピールし、モノづくりに対する夢と志をもった生徒の心に響く学校とすることが不可欠であると考えますが、県として、愛知総合工科高等学校専攻科の公設民営化に求める効果と目指すべき人材育成の姿について知事の見解を伺います。
また、民営化後の専攻科の特色を踏まえ、どのように入学志願者の増加につなげていくのか教育長の見解を伺います。

 

 

4)国の新たな雇用対策の仕組みへの対応について
本年5月20日に公布された第6次地方分権一括法によって、国から地方公共団体への事務・権限の委譲に関する15の法律の一括改正が行われました。
そのうち、職業安定法の改正では、地方版ハローワークの創設が可能となり、地方公共団体が民間事業者とは明確に異なる公的な立場で無料職業紹介を実施することができ、また、国のハローワークから求人情報及び求職情報を地方自治体が設置するハローワークにオンラインで提供することが可能とされています。
一方、雇用対策法の改正では地方公共団体が国のハローワークを活用する枠組みが整備され、国と地方公共団体は、雇用に関する施策について、協定の締結や同一施設における一体的な実施などにより、国と地方の連携を拡充した新たな雇用対策を全国的かつ安定的な仕組みとして構築することが目指されています。
こうした取り組みを活用し、名古屋市では、生活保護受給者を対象にハローワークの出張所を保護課の横に設置し、就労自立を促す取り組みを行うなど、今後もハローワークを活用し、より効果的な施策を一体的に運用する取り組みが全国的に広がることが期待されております。
一方で本県は、この愛知労働局との協定について、県はハローワークの地方移管を求めてきた立場から未だ締結には至っておりませんが、現在、全国の都道府県の約半数が各地域の労働局と協定を締結しています。
本県では就労支援や安心して働くことができる職場環境づくりに向け、県と国がそれぞれ独自に施策の実施とノウハウの蓄積、活用を図っていますが、特に非正規労働者の雇用の不安定化、低処遇等に関する問題や課題、長時間労働の改善や労働関係法令の遵守、不適正な就労実態があるブラック企業対策などでは、県と国がさらなる連携強化を図り、より厳格な指導・対応をすることが求められております。
また、障害者雇用についても法定雇用率が平成25年4月に2.0%に引き上げられたものの、全国平均は1.88%であり、本県においては1.81%と全国平均をも下回り全国でワースト3位となっていることから、行政機関はもちろん関係団体及び未達成企業への就労促進の働きかけを行うことが喫緊の課題であります。
そこで、今回の第6次地方分権一括法の施行を期に、県と愛知労働局が協定を結び、地域雇用の安定化のため、持てる政策資源を一体的に運用し、非正規雇用への対応や若年者、障害者雇用等に連携して取り組むべきと考えますが知事の見解を伺います。

次に高額ガン治療薬について伺います。
昨年12月、厚生労働省は新しい免疫治療薬であるオプジーボを従来の皮膚がんのみの適用から肺がんの治療薬としても認める追加承認と保険適用を決定いたしました。
この免疫療法とは、本来がん細胞を攻撃するはずの体内の免疫細胞が、がん細胞と結合することによって、がん細胞を攻撃できなくなってしまうという特性に注目し、このがん細胞と免疫細胞の結合を阻害し、自身の免疫細胞の働きを正常化させることで、がん細胞を死滅させるという治療法であります。
この薬の最大の特徴は、従来の抗がん剤治療や放射線治療が効かなかった患者に対しても効果が期待できるという点と「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」、つまり手術することができない進行性の肺がん患者を対象とすることができるという点であります。
また、この薬は自身の免疫機能の働きを正常化させることによってがん細胞を攻撃させるものであるため、がんではない正常な細胞への影響や体への負担が軽減され、副作用も比較的少ないとされています。
さらに、臨床試験等の結果によれば、抗がん剤などが効かなかった患者の約2割においてがんが小さくなるなどの効果が見られ、従来の抗がん剤よりも効果が高いとされ、がん治療の3つの柱である、手術、抗がん剤、放射線治療に加え、第4の柱になる可能性も期待されているところであります。
本県においても先の2月議会で承認された病院事業会計の予算の中で、がんセンターにおいて、このオプジーボが購入されています。
また、本県がんセンターにおいては、すでにこのオプジーボによる治療を開始しておりますが、その使用対象基準は、「手術ができず、抗がん剤や放射線治療の効果があらわれない患者の中で、自身の免疫自体が低下し薬を使用することができない場合」を除いて原則希望する患者に対しては全員がその対象とされているところであります。
こうした治療薬の登場は、患者やその家族にとって大変大きな希望であり、勇気を与えるものでもあります。この薬によって一人でも多くの患者の命が救われることを願ってやみません。
一方で、この薬は高い効果が期待できる反面、薬価が非常に高額であるため医療費の増加を懸念する声が医療界からも上がっております。
具体的に申し上げれば、このオプジーボの薬剤費は成人一人あたり、平均で一回約150万円、年間で約3500万円といわれています。
また、冒頭申し上げましたように、この治療薬が保険適用となったことにより、その医療費は高額療養費制度の対象となることから、患者自身の自己負担は大幅に減る一方で、その差額は市町村国保や企業の健康保険組合等の医療保険から支払われることになります。
肺がんの新規患者数は年間約11万人で、その内、手術での治癒が難しい患者は国内で約5万人と言われています。仮にその全員がこの治療薬を使えば薬剤費は1兆7500億円にもなります。日本の薬剤費は全体で年間10兆円であることから一つの薬でその5分の1を占めることになります。
今年2月に開かれた厚生労働省の薬事・食品衛生審議会や4月に開かれた財務省の財政制度等審議会でも医療保険財政への影響を懸念する意見が出され、日本医師会の横倉会長も医薬品の費用の適正化を進めるべきであるとの意見を表明されています。
さらに、オプジーボの対象疾病については、すでに腎臓がんが新たな対象として国へ申請中であり、胃がん、食道がん、肝臓がんも臨床試験中であるため、投与対象患者数が今後さらに増加することが予想されています。
また、こうした対象疾病の拡大と併せ、高額治療薬の薬価の引き下げを検討していた診療報酬改定も消費税増税先送りによって改訂が見送られる方向であり、現在の薬価が次回改訂時まで維持されることとなります。
国は効果によって薬価の見直しを行う方針も立てていますが、どういった患者にこの薬が効き、どの程度の症状緩和の効果がみられるのかを踏まえた治療指針を早期に策定することが求められています。
本県のがんセンターにおいては、治療効果を見極めつつ、副作用にも充分留意しながら対象となる患者に投与を行っていると伺っていますが、例えば今年4月にはがんセンター中央病院、愛知病院を合わせ56人の患者の治療に延べ94回オプジーボを使用しており、その薬剤費は1億3000万円ほどになっております。
仮にこのペースで1年間使用されると想定すると、その薬剤費は約15億円になり、平成27年度のがんセンター全体の薬剤費60億円の実に4分の1を占める額となります。
そこで現時点で市町村国保におけるオプジーボを使用した患者の医療費はいくらであるのか伺います。
また今後保険承認によって投与対象となる患者がさらに増えることが予想されるため、必要な情報を集め医療費への影響を把握するとともに国に対し必要な措置を求めていく必要があると考えますが見解を伺います。

 

 

6)次に子どもの貧困対策について
厚生労働省が2014年7月に発表した「子どもの相対的貧困率」によれば、我が国の貧困状況にある子どもの割合は16.3%とされています。これは子ども約6人に1人、325万人もの子どもたちが貧困状況にあることを示しており、データを取り始めた1985年以降過去最悪の状況となっています。
また、ひとり親世帯に限っては、1985年以降常に50%を超えているという事実はこの問題の深刻さを表しています。
国は、昨年12月に子どもの貧困対策会議において「ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクト」を決定しました。
また今年2月には、このプロジェクトの実効性を高めるため、国補正予算により「地域子供の未来応援交付金」が創設され、この交付金により、地域の行政、学校、自治会、NPOなどが連携して子どもの発達・成長段階に応じて切れ目なく支援していくための地域ネットワークの形成を推進していくこととされております。
生活が困窮している家庭においては、放課後の居場所づくりや学習支援、夕食の提供などを始め、多岐にわたる分野において支援が必要とされておりますが、こうした事業の多くは、市町村の子育て支援施策や学校での対応が中心であることから、先ほどの交付金では、それぞれの市町村において、実態調査や分析、資源量の把握等を行った上で支援体制の整備計画を策定し、具体的な支援を行うこととされています。
また、地域の社会資源を活かした市町村独自の先行的なモデル事業についてもそれぞれの判断で実施できることとされております。
一方で行政とは別に学習支援や子ども食堂などによる食事の提供、家族支援や居場所づくりを行っているNPOや地域もあり、それぞれの長所を活かした官民一体の連携した取り組みを拡大していくことが地域や家庭の実態に即したより効果的な施策の実施のために重要であります。
そして、こうしたより効果的な施策を実施するためには、生活困窮世帯の実態を正確に把握することが何よりも重要でありますが、今月13日、知事が本県における子どもの貧困対策を強化するため、名古屋市を含む県内全域において、子どもの生活実態調査を実施することを発表されました。
子どもの貧困対策のためには、まずは生活困窮世帯の子どもの生活実態を把握し、貧困が子どもの成長にどう影響しているのか分析した上で、支援策を検討することが重要であることから、知事が調査の実施を決断されたことを高く評価するものであります。
一方で、調査項目の詳細はこれから検討されると伺っています。親の収入の格差が子どもの学力の格差につながり、不安定就労につながるという貧困の連鎖がないか、貧困世帯の子どもたちが学校を卒業後、どのような状況にあるのかなどについては、特に深く継続的な調査をしていただきたいと思います。
本県では、県がリーダーシップを発揮して、県全域での実態調査や分析を行うわけでありますが、この調査を踏まえ、県の施策とあわせ市町村の子どもの貧困解消に向けた支援策やモデル事業の実施が積極的に進むことを期待しています。
また、県としても国や市町村と連携し、現物給付や現金給付の拡大を含む経済的支援や生活支援、就労支援など子どもの貧困対策を総合的に推進し、教育機会の保障と環境整備を図っていかなければなりません。
貧困は、子どもたちには何の責任もありません。
子どもたちの将来がその生まれ育った環境によって左右されることなく、自らの可能性を伸ばし、幸せが掴み取れる社会をここ愛知から作り上げていただきたいと思います。
そこで伺います。
子どもの貧困対策は、県と市町村が役割分担をした上で、それぞれの特性に応じた地域の関係団体とも連携しながら進めていくことが重要でありますが、県として、市町村と連携した貧困対策の進め方について見解を伺います。

 

 

7)ヘイトスピーチ規制について伺います。
今月3日、ヘイトスピーチ解消法が施行されました。
個人の尊厳を傷つけ、人格を否定するヘイトスピーチに対し、国として不当な差別的言動は許さないとの姿勢を宣言し、そのための取り組みを推進すると定めたこの法律は、ヘイトスピーチ根絶に向けた重要な一歩になることと思います。
国連人種差別撤廃委員会が「人権原則の核心である人間の尊厳と平等を否定し、個人や特定の集団の社会的評価を貶めるべく、他者に向けられる形態のスピーチ」と定義するこうした差別扇動表現であるヘイトスピーチのデモや街宣活動の数は、昨年1年間だけで約250件にのぼるといわれています。
今回の法律の制定過程では、表現の自由との兼ね合いとの理由で、具体的な禁止規定や罰則規定が盛り込まれてはおりませんが、各地のヘイトスピーチをめぐる地裁、高裁判決が示す通り、こうした差別的言動は人格権に対する違法な侵害行為にあたり、憲法の定める集会や表現の自由の保障の範囲外であることは明らかであるため、国や自治体においては毅然とした対応を図り、いかに実効性を担保していくかが今後の課題であると思います。
事実、規制については各自治体によって判断が分かれているというのが現状であります。
川崎市では、法の施行を受けて市長が公園の使用を不許可とする決定を下す一方で、名古屋市では公園の使用申請を「要件を満たしているため許可せざるを得ない」として使用許可が出されました。
また、川崎市の場合にあっても、市の管理する公園の使用許可は不許可とされたものの、デモをするための道路使用許可自体は出されており、結果としてデモが行われなかったというのは、デモに反対する市民の抗議を受けて、主催者側が当日現地で中止を決めたからに他なりません。
知事は、県有施設や公園等において申請があった際にはこれを認めないと発言をされており、その姿勢は全面的に支持いたしますが、仮に主催団体等から申請を不許可とすることへの訴えの提起があった場合にそれに抗しうるのかという懸念が残ります。同時に集会ではなくデモのための道路使用許可の申請があった際に同様に不許可とすることができるのかという問題もあります。
また、法の規定では地方公共団体に対し、第5条で不当な差別的言動に関する相談に的確に応じ、紛争の防止または解決を図ることができる相談体制の整備を求め、第6条と第7条では不当な差別的言動を解消するための教育活動の実施と啓発活動を求めています。
こうしたことから、やはり現行制度の解釈によって規制するのではなく、本県においてもヘイトスピーチに対する包括的な施策の実施とヘイト規制の実効性を担保するためにも条例制定も含めた抜本的な施策を講じる必要があると考えますが、ヘイトスピーチ抑止に向けた今後の県の取り組みとヘイトスピーチに対する知事の見解を伺います。

 

 

8)障害者差別解消推進条例施行後の課題について
この質問を行うにあたり、本日は障害者団体の方々も多く傍聴にお越しいただいており、今年の2月議会から認められた要約筆記を利用して傍聴にお越しいただいている方もお見えであります。それだけ多くの皆さんが期待と関心を持っておられる課題でありますので知事の前向きな答弁を期待したいと思います。
さて、障害者差別解消法が本年4月から施行され、いよいよ本格的に、社会生活のあらゆる場面で障害を理由とした差別をなくすための取り組みが始まろうとしています。
昨年の12月議会では、本県独自の「障害者差別解消推進条例」が可決・成立し、順次施行されています。
条例前文にも明確に述べられている通り、現在の社会には、障害を理由とする不当な差別的取り扱いや、障害のある人の日常生活や社会生活における活動を制限し、社会への参加を制約している社会的障壁が、厳然として存在しており、そうであるがゆえに障害者の皆さんの熱い期待が、この法律および条例の施行に寄せられているのであります。
本県条例は当初、9月議会への提案を予定していましたが、同条例を10年にわたって要望し続けてこられた障害者団体の方々からは、事前に十分な条文の説明もなされず、また当事者の意見を聞かないまま条例を提出しようとすることへのご意見と条例に当事者の意見も盛り込んでほしいとの要望が寄せられました。
これに対して知事は即座に9月議会への提案を見送る決断をされ、以後、障害者の皆さんとの数度にわたる話し合いを経て、前文も含め5点の重要な修正を加えられました。
その結果、県内外の障害者の皆さんからも高い評価をいただけるような条例を、成立させることができたわけであります。
本県条例の特徴は、その条例案の修正過程が示すように、障害当事者の参画を重視していることと、実際に差別を解消するための実効性ある措置を盛り込んでいることなどが挙げられます。
こうした特徴を踏まえて、相談窓口の課題について伺います。
条例第10条では「障害者差別に関する相談及び紛争の防止等のための体制の整備」として、相談窓口を設置することとされており、広域相談窓口として福祉相談センター7カ所のほか、精神保健福祉センター、県の障害福祉課のあわせて9か所が相談窓口とされ、県職員が担当者と位置付けられております。
一方で、障害当事者の参画という観点から言えば、より障害者の側に寄り添った相談窓口にするために障害当事者によるワンストップの相談窓口として「愛知県障がい者差別解消センター」とも呼ぶべき組織が必要であると考えますが知事の見解を伺います。
次に、手話言語条例について伺います。
聴覚障害などコミュニケーション支援を必要とする障害者への合理的配慮として、言語である手話や点字、要約筆記などの意思疎通手段の普及については、本議会も平成26年3月、国に対し手話言語法の制定を求める意見書を採択してきたところであります。
障害者差別解消推進条例の全面施行を前にした3月末、知事は仮称「手話言語その他の意思疎通のための手段の普及に関する条例」の制定に取り組む姿勢を明らかにしました。
私たちはこれに賛意を示しつつ、やはり当事者参画による条例づくりが肝要であると考えますが、知事としてどのように条例の検討を進めていかれるつもりなのか見解を伺います。
以上、県政各般にわたる課題について質問を行いました。
知事並びに教育庁の真摯かつ前向きな答弁を期待いたしまして質問を終わります。


アーカイブ